午前中庶務をこなし、正午になると、席を立つ。

 
 パソコンをスタンバイ状態にしてから、フロアを出た。


 食堂に行き、少し時期が早い冷麺を頼んで、啜る。


 本来なら冷麺は夏の食べ物なのだが、気温が上がると、春先でも出されるのだ。


 食事を済ませて、地下駐車場から車を出し、新宿へと向かう。


 昼過ぎの道路はそう混んでなかった。


 助手席の橋村が言う。


「梶間さん、組対はなぜ動かないんでしょうね?」


「いや、俺もそう思ってたんだ。川中組対部長も腰が重たいんだろうね」


「……」


 相方が俺の一言に絶句した。


 そして手元に持っていたスマホに目を落とす。


 俺の方はハンドルを握り続けた。