課内に捜査員は一人もいない。


 出払っているのだろう。


 そう思い、署を出て、街を歩く。


 おそらく前田も石川も、目を尖らせている。


 事件が解決してないので。


 橋村と共に歩いていった。


 大勢の人間に紛れ込んで。


 時間は過ぎ去る。


 決して戻らずに。
  

 合間にスマホのGPSを使い、位置情報を確認した。


 歩き続ける。


 やや速い感じで。