精神疾患の症状を自覚し、認めるしかないと心の内で思っていた。


 橋村にも打ち明けてない。


 たまにスーツのポケットから白い錠剤を取り出して、ペットボトルの水と共に含むのを見ても、気付かないだろう。 


 悩みが深いのだ。


 人一倍。


 そしてまた時が流れる。


 次の土曜の朝、ベッドから起き出し、キッチンと隣接しているリビングへ歩き出す。


 スマホは持っていた。


 晴海が朝食を作り、テーブルに並べる。


 普通に一緒に食べた。


 カバンを持って玄関から出る際、


「今日も遅くなると思う。あまり遅いようだったら、先に寝てて」