食べ終わり、淹れてもらったコーヒーを飲んでいると、石川が、


「神宗会の処分は所轄じゃ出来ませんね」


 と言う。
 

「まあ、あの組ぐらい規模が大きくなると、組対が動きますからね。いつでも打診しますよ」


 そう言って息をつくと、前田が、


「是非、梶間警部から言っていただけると助かります。俺たち所轄じゃ、無理な話なんで」


 と言い、重たげに息を吐き出した。


 橋村と顔を見合わせ、カバンからICレコーダーを取り出し、スイッチを押す。


 大事な会話だと思い、記録した。


 眠気も吹き飛ぶ。


 事件が事件なので。


 警察は神宗会関係者や内田晶夫が共謀した共同正犯の線を疑っていた。