暇はなく、相変わらず忙しいようだ。


 だが、現役の警察官にとって、そんなものは当たり前なのである。


 刑事は3K労働だ。


 ずっとそんな感じで警察社会は動いている。


 その水に慣れていた。


 最初は飲み慣れなかったが……。


 その日も帰庁する。


 午後七時前には警視庁に着き、一課のフロアがある十階へと向かった。


 辺り一帯はエアコンが利いていて、寒いぐらいだ。


 フロアに入り、デスクの椅子に座って、パソコンのキーを叩き始める。


 本園が覚せい剤所持の現行犯で再逮捕されたことは、連絡が行っているはずだ。


 闇の中は恐ろしい。
 

 通常の人間なら、視界が利かなくて。