もしまた何かの拍子で、私に対してそんな態度をとられることが」


「だからもう絶対に、來奈を傷つけるようなことはしない!

約束する!」


真剣な彼を断るのも、こっちが嫌な気分だ。


「ごめん...。約束されても無理。


私の先入観が邪魔するから...。

若王子がどれだけ優しくしてくれても、いつかはって...。


そう思ってしまう。


そうやってびくびくしながら付き合うのは、辛いと思う」


「.........なら俺はどうすればいい?」


最後の望みを懸けるように訊かれる。


そんな辛そうに訊かないでよ。


私は誰も傷つけたくないんだから。



「わからない。

だけど...若王子の地道な努力が、私の嫌な先入観を払拭するかもしれない。


時間と共に解決できるかもしれない...かな」


自信無く言う、最後の望み。