父さんと関係が近い女性に話しかけられる。


こう言った人は、私に対しても優しく接してくれる。


「ありがとうございます」



軽く会釈をして、社長室と書かれている札の前で止まる。


ノックをし、父さんの返事を聞くと、中に入った。


「持ってきました」


「おぉ! すまんの。
これはとても大切な物でな。

忘れてしまって大事になりそうだったんだ。


お前がいてくれて良かった。


この前は悪かったな。

言い過ぎた。



お前は私の大事な娘だよ」



笑って父さんは、私の肩をポンポンと叩いた。