「ほう。ここが遊園地か」


早速私服に着替えたオレとルドルフボスは、遊園地のエントランスでチケットを買っていた~。見かけは支払っているのはオレだが、本当はルドルフボスのポケットマネーなんだぜ~。金はかからないが、子供に遊園地をおごってもらっているようで、なんだか泣けてくる~。


「ルドルフボス、すごい人ごみですから、離れないでくださいね~」


「何を言う。こういう場合は、あれだろう」


「あれって何ですか~?」


「……手をつなげ!指令だ!」


ルドルフボスは、ゆでダコに更に赤いペンキを塗りたくったような顔色になって、オレの手をにぎりしめてぐいと引っ張ったから、オレの腕はもげそうになった~。


「いたた、ボス、痛い~!」


「早く行くぞ。ターゲットに近づく。護衛しろ」


まあ、要は早く観覧車に乗りたいんだな~。オレとルドルフボスは、仲良く(?)手をつないで、観覧車に急ぐ~。


今日の観覧車は、父の日イベント中で、より派手にかっこよくデコレーションされている~。イベント中は、男の子と父親が観覧車に乗ると、今流行りの戦隊もののおもちゃと、ショーのチケットがもらえるようだ~。どうやら、ルドルフボスはこれが目当てらしい~。


「セルジュ、あとで、その」


「ショーですね~、行きましょう~」


「……すまん」


ルドルフボスが、顔を伏せてデレた~!オレの心は何となくキュンとした~!なぜか脳内にパウルが出てきて手招きしたが、オレはイメージのそいつに向かってアサルトライフル100連発を打ち込んでから、咳払いして、落ち着くことにした~。


「いらっしゃいませ」


「大人一人と、子供一人、頼むぜ~」


「はい、チケット拝見しました。楽しい空の散歩へ、どうぞいってらっしゃいませ」


マニュアルを並べる営業スマイルの係員のお姉ちゃんに、観覧車のドアを開けてもらって、ルドルフボスが先に乗り込み、オレはお姉ちゃんに色目を使ってからゆっくり入った~。