家族もいるし、友達もそれなりにいる。

本当の意味の『孤独』を体験したことがないから、一人になりたい、落ち着ける場所が欲しいとこの路地に来ている気がする。

このずっと前から転がっているゴミ箱も空き缶も、もしも感情があるのならばきっと捨てられた時から孤独なんだろう。

そんなものたちが少し羨ましく感じた。

それは人生が楽しくないからとか辛いからとかじゃない。

楽しい時でも、悲しい時でも必ず何か欠けているような気持ちがあるからだ。