そのあとも、ひたすら俺は振り回されて。 無意識って、天然って恐ろしいなと ……俺は改めて実感したよ。 そんなやつだからこそ、いつ襲われるか分かったものではないし、不安でしょうがない。 「家まであと10mくらいだから!! 心配しなくてもなんにもないよ」 こんなことを言われても、いまいち信用しかねる。 俺の方がしぶしぶ身を引いて来た道を戻ろうとすると、 「匠くん!!」 ブレザーの裾を掴まれ、重心が後ろに傾いた。