「ハァ…ハァ…ハァ…」 酸素が足りなくて、息をするのも難しいのに。 ただがむしゃらに君に追い付こうと、走って、走って。 バァン!! 「たくみ、くん…!」 重たい扉を叩きつけるように開けて、 屋上全体に響き渡るように、 途切れ途切れに君の名前を呼んだ。 「匠くん……」 屋上を見回して、君がフェンスに寄りかかっているのを見つけた。 絶対に聞こえていたはずの私の声には、 反応すらしてくれないの…?