どういう意味だ?


白獣珠の本能ともいえそうな何かが、明らかに嫌がってる。


師央が現れてから、ずっとだ。


こいつのせいで、因果の天秤とやら狂ってんのか?



オレは、すっと目を細めた。



「おまえ、本当に、何者だ?」



低く冷えた、切れ味のいい声。自分でもうんざりするくらい、威嚇に向いた声だ。



師央が涙を浮かべた。


へなへなと座り込んだ。



「信じてください、パパ」



その瞬間。



「ぶっ、くくっ、あははは! パ、パパ! あはははっ、煥が、パパって!」



兄貴が盛大に笑い出した。



「お、伯父さん?」



「おー、そうかそうか。おれは文徳伯父さんだよな。ちょっ、これ、笑える!」