肘を叩き込む。かわされる。 手刀の反撃が来る。上腕でガードする。 オレの膝蹴りが正木の腹に入った。ダメだ。防弾チョッキを着てやがる。ダメージが浅い。 正木の拳がオレの頬をかすめた。 「このガキがっ! 白獣珠を寄越せ!」 血走った眼球。狂気を映した瞳。 正木は、もう正常じゃない。 師央から白獣珠を奪って、奇跡のチカラに中毒を起こしている。 「誰が渡すかよ!」 視線で誘導する。高い軌道のパンチのフェイント。 正木がだまされて身構える。足元に隙ができる。