正木のキャノンが再びオレを狙っている。 「もう一度、吹っ飛んでみるか?」 痛めつけることを楽しんでる顔だ。 こいつ、出世欲だけが襲撃の動機じゃねぇな。 相手をいたぶることに喜びを感じてやがる。 オレは手のひらにチカラを集める。 正面から受けたんじゃ、勢いにやられる。 受け流すか? どこに向けて流せばいい? ステージ上では、兄貴と海牙が世良と戦っている。 パスッ! 唐突に、軽い破裂音が聞こえた。 サイレンサー付きの銃を撃ったときのようにかすかで、勢いのある音。 正木が目を剥いた。