赤いエスプレッソをのせて





みんなして、ほんと、私のことをなんだと思っているんだろう。

――いくらなんでも、私にアイツを殺せるわけがないし、たぶん、お姉さんと似ているってどれだけ言われても、なにかが私の中で変わることはないと思う。

私のこと、私だと認めてくれているの?

母さんには千代の代わりに、

山久にはお姉さんの代わりに、

私という『個人』を無視して、扱われてる――私。

もう、だれかの代わりは、ウンザリだ。

まるで、私という存在がありあわせで作られた、どうでもいいもののような気がしていた。

ああ――神様。

どうか、殺人者にも答えてくれるのなら、教えてください。

私は、私であるべきなんでしょうか?