赤いエスプレッソをのせて

だから人間は、自分勝手よね。


イ マ
現状にいつまで経っても、どこまで手に入れても満足できない、不尽の貪欲さ……

よく悪魔が人間の欲望を叶えるとかいうファンタジーがあるけど、それに答えてしまう人間の気持ちが、わからないわけじゃない。

私だって、もしも悪魔に「なんでも望みを叶えてやる」と囁かれたら、耳を貸してしまうだろう。

自分の心臓を差し出しても、周囲の信頼をなげうっても、きっと『自分の欲望』っていうものに底を尽かせるために、悪魔と契るんだろう。

だけど、そんなことは決してできない。

してはいけないんじゃなく、ただ、できないんだ。

悪魔が囁いてくれることもなければ、自分の思うがままに振る舞って、すんなりと生きていけるような世界は、どこにも広がってない。

だから、いいじゃないの。

逃げ出しても。

目を閉じてしまっても。

真実がいじめてくるんなら。

そんな世界よりも、自分が気持ちいい、偽りの中で生きたって……。