病むほど君に依存してる

 言葉が出なかった。衝撃にも似た驚きで、頭の中が真っ白になる。

 けれど、少し前の出来事を振り返ってみれば、思い当たることはいくつもあった。

 瑠珂くんが苦しそうに言っていた「瑞季不足で……死にそう」とか、「俺の傍から、いなくならないでくれ」とか。

 アレって、瑠珂くんの依存性によるものなんじゃないだろうか。


「おい、聖!」


 不意に、孝くんが聖くんの襟元を掴み上げた。その表情は、どうやら怒っているみたい。


「いい加減なことを言うと許さねぇぞ!」

「いい加減じゃない。本当のことだ」

「うっせぇ!急にそんなことを言われたって、信用できるわけがっ――」

「孝くん、落ち着いて!」


 勢いのままに聖くんを殴ってしまいそうだったから、私は慌てて孝くんに縋りついて落ち着かせる。


「瑞季!お前はこれを聞いて何も思わなかったのかよっ?!」

「思わないわけがないよ……!」

「……っ」

「でも……私は聖くんが言ったこと、信じる」

「なっ?!」


 聖くんはしょっちゅう授業をサボるし、遅刻するし、先生の中では不良として扱われているけど……。

 今なら、分かるよ。


「聖くんが“瑠珂くんを幼馴染みの1人としか見ていないのなら、近付くな”って……そういうことだったんだもんね」


 半端な気持ちで今の瑠珂くんに近付いたらどうなるのか……答えは出てしまった。