病むほど君に依存してる

 孝くんたちに連れて来られたのは、周りに誰もいない屋上だった。

 こういうところに連れてきたということは、大事な話があるんだろう。思い当たる節といえば、瑠珂くんのことだけど……。

 また、怒られるのかな。「話し掛けるなって言っただろ」って。でも、無視なんて出来なくて、結果的に話し掛けちゃった……。

 ビクビクしながら孝くんたちの言葉を待っていると、孝くんの右手が私の頭の上にぽんと置かれた。


「大丈夫か?」

「え?」


 まさか、心配しているかのような発言が飛び出して来るとは思わなかったから、ビックリして変な声が出てしまった。


「さっき、泣きそうになっていただろ」


 孝くん……。

 もしかして孝くんたちは、私と瑠珂くんのやり取りを見ていたのかな。

 それで、泣きそうになっている私を見て、瑠珂くんと引きはがすために連れ出してくれた……?


「あっ、ありがとう。でも、もう大丈夫だよ」


 さっきに比べたら落ち着いたし、笑顔を浮かべてそう言うと、孝くんは安心したように微笑む。


「なら、いいんだけどよ」

「うん。もう平気!」


 孝くんたちに迷惑をかけっちゃったなぁ。

 ダメだって言われたのにも関わらず、瑠珂くんに近付いた自分自身のせいなのに……。

 ――でも、瑠珂くんに近付いたこと自体は、後悔していない。