病むほど君に依存してる

「退学になろうが停学になろうが、瑞季に会えなくなるわけじゃないだろ?」

「それは、そうだけど」


 学校が終われば、家は近所なんだし、会おうと思えば会えるだろう。

 けど、問題はそこじゃない。

 会えるとか会えないとか、そういうことを気にして私は言っているんじゃない。

 どうしたら分かってもらえるのかが分からなくて、思わず泣きそうになる顔を見られないようにうつむき、スカートの裾をぎゅっと掴む。


「……私は嫌だよ。瑠珂くんがそんな目に遭っちゃうの」

「……瑞季」


 瑠珂くんが何かを言いたげに私の名前を呟いた瞬間だった。ぐいっと、誰かに力強く腕を引かれる。

 ビックリして顔をあげると、不機嫌そうに眉を寄せる孝くんと……棒付きの飴を口にくわえている聖くんが立っていた。


「こいつ、借りてくから」


 ギロッと瑠珂くんを睨みつけた孝くんは、私を連れて教室から出た。聖くんも一緒に出る。

 瑠珂くんはそれに対して何も言ってこなかったけど、屋上で見た時と同じ冷酷な目で、孝くんたちを睨み返していた……。