図書の整理を始めて約二時間弱。
「エドガー司書、終わりました」
「え、早い……」
「では、本を読んでもいいですか?」
「ど、どうぞ……」
食い気味に尋ねられて、たじたじになっているフィアナを横目に、星々はこれから読む本を手に取る。
図書の整理をしている最中にどの本を読もうかと考えこんでいたのは、星々だけが知っていることである。
そしてその本を誰かに取られないようにきっちりと観察していたのは、もはや言うまでもないだろう。
本の種類はたくさんあるが、どれも一、二冊ずつしかなく、心許ない感じだったのだ。
(早速スキル『速読』を試してみようかな)
その本『剣術指南書その一〜ラトフ・ゴラバトフ著〜』の一ページ目をめくり、心の中で『速読』と唱える。
すると、驚くべきことが起こった。



