「すみませーん。
バスケ部に入部希望なんすけどー」



説明会の前から来た! と内心、小躍りしながら駆け寄る。



芸能人みたいに整ってる可愛い系の顔立ちの男子だ。

ちょっと長めの茶髪で、瞳なんてあたしよりずっと大きいな、これ。



あたしのうなじまであるこげ茶のポニーテールは邪魔だからという理由。

今だに小学生みたいにかすり傷とか絶えないし、女子力は低いけど……。



うーん、こいつ、かっこ可愛いな。



「あたしは、山内 李穂(やまうち りほ)。
こっちはキャプテンの佐野 大成(さの たいせい)。
あんたは?」

「安達 尚(あだち なお)っす。
李穂先輩のこと、好きになっちゃいましたー。
だからおれと付き合って下さーい!」



そしてちゅ、とあたしの手の甲に彼の唇が触れた。



……。



「は?」



体育館に、あたしと大成以外の部員の絶叫が響いた。










ホップ・ステップと軽やかに。

あたしの日々が変わり始めた。