「それで、李穂のそういうところは俺だけが独り占めしたいって思った」



……ばかだよ。

大成って、頭悪いよな。



あたしが女に見える時は、大成が理由なんだ。



尚に告白された時よりも。

大成におはようって言われた時の方が、あたしはオンナノコになれるんだ。



「あたし、大成のすぐ赤くなるところが嫌いだ」

「ひどいな」

「口下手なところも、ばかなこと考えてるところも、わかりにくいところも、ギリギリまで動けないところも」



パンッと大成の両頬を手で挟む。

……あっつ。



「嫌い、嫌い、嫌い、嫌い、だいきら、」

「俺は好き」



声が、出なくなる。



「李穂が俺を嫌いでも、俺はお前が好きだ」