そんなに買い換えるものでもないのに、自分の好みに合わせなくて。

なんか……、なんかなぁ。



胸の奥が、そわそわする。

そんなオンナノコみたいな反応は似合わないってのに、自分じゃどうしようもないんだ。



「そういえば先輩は黄色が好きだったんすね」



今日のパーカーの色だ、と尚が楽しそうに微笑む。



「あー、うん。金運だからな」

「それは予想外な」



なんだよ。

大事だぞ、金運。



くつくつと笑いやがって、失礼なやつだな。



「あ────、だから好きなんすよね。
先輩のこと」

「は⁈」



冗談じゃないっすよ? と尚が首を傾げる。

突然すぎる言葉に、あたしの手からハンバーガーが落ちて、ケチャップが広がる。



「おれは先輩のことが、本気で好きなんです」



その言葉に騒いだあたしの胸。



なぁ、誰か。

────うそだと言ってくれ。