「…好きな人に、さ」 「…」 「好きな人がいたら、諦めた方がいいと思う…?」 バニラシェイクを両手で持って、視線を落とす紗月ちゃん。 さっきまでボーリングで容赦なくストライク決めてたくせに、急にしおらしくなる。 何だよ、それでも、そんな顔させてるのは俺じゃない。 あーあ。 紗月ちゃんを泣かせるのも、幸せにできるのも、アイツしかいないんだろうな。