「あ、あのさ!」 階段の5段目くらいから、一番下にいる篠宮くんを呼び止める。 「話したくなかったら、いいんだけど …先生と、どういう関係なの?」 「…」 お前には関係ない、って、想定してた言葉はなかなか発せられなくて。 少し考え込んだ篠宮くんは、ゆっくり階段を5段目まで上って、人ひとり分くらい空けてあたしの隣に座った。