君のいいところ、1つしか思いつかない。






つまらなそうな顔をして去っていった里奈たち。



隣の紗月ちゃんを見ても、さっきからずっと俯いたまま顔を上げてくれない。







「ねえ、紗月ちゃー…」








瞬間、弱い力で引き寄せられた腕。


そして、紗月ちゃんの小さなピンクの唇が、俺のそれを塞いだ。


突然のことで状況が飲み込めなくて。


紗月ちゃんのグロスの、ストロベリーの香りが鼻をくすぐった。