「わ、混んでるね」 そう言って辺りを見回す紗月ちゃん。 「紗月ちゃん、どこ行きたい?」 「うーん、綿あめ食べたい!」 「ん、了解」 紗月ちゃんの小さくて温かい手を握って、綿あめの列に並んだ。 手を繋ぐだけで緊張するなんて、俺、そんなキャラじゃないはずなのに…。 ふわっとした綿あめを、幸せそうに食べる紗月ちゃんはすごく可愛いと思う。 小さい子どもみたいな笑顔に、俺も思わず笑ってしまった。