花火大会の河川敷に着くと、すごくたくさんの人。 「わ、混んでるね」 「紗月ちゃんどこ行きたい?」 「うーん、綿あめ食べたい!」 「ん、了解」 やっと優しく笑ってくれた晴は、あたしの手を握って歩き出す。 そして綿あめを買うために列に並んだ。 「綿あめ久しぶりだなぁ」 「俺も、なかなか機会ないよな」 そうやって喋る晴はいつも通りで安心する。 でも、浴衣、やっぱり似合ってないのかなって。 小さいことばかり気にしてしまう。