女の子に触れるのなんか慣れてるはずなのに、どうしてこんなに緊張するんだろう。 「…俺でいいの?」 なんてカッコ悪いことを聞いてしまって。 「…って、何聞いてんだろ、ダサいね」 紗月ちゃんの前ではいつだってカッコつかない。 だけど今、腕の中にいるのは紗月ちゃんで。 ふわりとしたシャンプーの匂いも、抱きしめ返してくれる細い腕も、全部幸せだった。