初夏の暑い日差しに、体育館の影が涼しい。 ワイシャツの袖をまくった蓮のネクタイも、暑さからかいつもより緩い。 放課後の体育館の裏。 晴から勇気をもらったあたしは、蓮をここに呼び出した。 さぁっと吹いた風に背中を押されるように、この沈黙を破った。 「あの、ね」