「あ、そのマスカラ新商品のやつでしょ?」 「うん、結構いいよ」 「買おうか迷ってるんだよねー」 いつも通りの昼休み。 お昼のクランベリーパンを食べ終えた私は、教室でみんなと喋りながら鏡に向かう。 「…あ!晴じゃん!」 教室の前の廊下を通った人影にいち早く反応した、友達のはーちゃんがドアに駆け寄る。 そしてみんなも彼の存在に気づいて次々と廊下へ向かった。 私はというと、そんな皆を遠目で見ながら鏡を閉じた。