「…お茶買ってくる」 思わず教室を出て廊下を歩く。 あ、財布忘れた、なんて思うあたしはお茶を買う気なんて少しもなくて。 蓮がモテてるって聞いても、ショックを受けてなくて。 やっぱりそうか、なんて妙に冷静で。 …そんな自分が嫌で。 スカートの裾をキュッと握った瞬間、前から歩いてきた人にドクンと心臓が跳ねた。