「入って…!」 体育館にいた全ての人が、ボールの行方に息を飲んだ。 一瞬、なんの音も聞こえなくなる。 オレンジ色のそれが綺麗な弧を描きながらゴールに吸い込まれるようにネットを揺らした。 リングを通り抜けて床にバウンドしたボールに、試合終了の合図。 瞬間、ワァッと沸き起こる歓声に、クラスのみんなに囲まれる蓮。 ああ、どうしよう。 涙腺がおかしくなるくらいに、カッコいい。