瞬間、ふわりと包まれた体温。 目の前には晴のキャメル色のカーディガン。 晴の腕の中にいるこの状況を理解するのに数秒かかった。 頬に触れる晴のカーディガンはふわふわしていて、温かい腕の中はドキドキするけど安心した。 「何があったか知らないけど、紗月ちゃんは嫌なやつなんかじゃないよ」 そのひと言が、私の心に優しく落ちる。 「…ありがとう、いつも」 いつもいつも、助けてくれるのは晴だ。