「っ…」 頬を伝う雫をカーディガンの裾で擦って、校門を出た瞬間。 ードンッ 前を見てなかったせいで、思いっきり誰かにぶつかってしまった。 もう、最悪。 何なの、しっかりしてよ自分…。 「紗月ちゃん?」 びっくりして背の高い彼を見上げると。 「は、る…」