私は顔を上げる。

スクラップ場。

2号達がどういうつもりでそんな場所に向かっているのかまではわからないが、私にとっては都合のいい場所だった。

物が多い場所ほど、私の念動力は有利に働く。

追い詰められるあまり、そんな事もわからなくなったのか、2号。

歩を進めながら、いつの間にか私は笑みを浮かべている事に気づいた。

…無表情でいるのが当たり前と思われていた私が、笑みを…。

しばし思案し、すぐに思い至る。

成程、これが愉悦という奴か。

愉しみ、悦ぶ。

ならば私は何を愉しみ、何に悦んでいるのか。

…考えるまでもない。

獲物を追い詰める愉しみ。

小山田哲平を追い詰め、逃げ場を奪って捕獲する愉しみ。

裏切り者の2号を追い詰め、私の念動力で全身を捻り上げ、骨のへし折れる音を聞き、皮膚が裂けて赤黒い血が搾り取られる様を眺める悦び。

そんな愉悦にのみ、私は表情を浮かべるのだ。

そしてそんな想像をする度に、私は足取りも軽やかになる。

…前々から考えていたのだ。

2号。

お前はその愛らしい顔をどんな風に歪めるのか。

死に至る痛みを与えた時、お前はどんな風に鳴くのか。

…いい声で鳴いてちょうだい。

「…アハ…アハハハハハハハハ!…アハハハハハハハハハハハハ!!」

月明かりの下。

私は狂気に打ち震えながら嗤った。