呆然とする俺を。

「小山田君、出るよ!早く!」

黛さんは引っ張って、ファミレスから走り出した。

「信じられない…あんな見境ない手段でくるなんて…!」

走りながら彼女は毒づいた。

その言葉から、さっきのトラックは1号の仕業なのだと気付く。

「あんなデカいトラックを…念動力で動かしたってのか!?」

「小山田君…貴方は彼女の力を見くびっている」

足を止める事なく、黛さんは俺の顔を見た。

「言ったでしょ。彼女は超能力と引き換えに理性や善悪の判断力もなくしたの。彼女にあるのは任務の遂行だけ…でも私も甘かったわ。あそこまで見境なしだとは思わなかった…」

ギリ、と歯噛みする彼女に、俺は青ざめた。

俺一人を捕まえる為に、関係ない人まで傷つけるっていうのかよ…!