☆
夕方近くになって、事務所に1人の来訪者が姿を見せた。
「啓太…」
「よ、如月。怪我は大丈夫か?」
にこにこ笑いながら裕一郎の部屋のドアをノックしたのは、事件の時うやむやのまま別れた吉山啓太だった。
「河村さんが携帯に連絡くれたんだ。お前が家に帰って来てるって」
「久司が…? ってか、なんでお前の携番知ってるんだよ」
「何でって、昨日の朝にちょっと話して…それで番号交換?みたいな」
「……」
昨日も今日も、河村は啓太に連絡を取ったなどとは言わなかった。
驚かすつもりだったのだろうか。
(おせっかい…)
啓太にはもう少し心の整理がついてから、会いたかったのに。
否。
心の整理なんてつくわけがないと分かっている。
こんな事でもない限り、口に出せずただグズグズと悩むだけなのだ。
河村は彼のそんな性格を、とてもよく理解していると思う…。
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夕方近くになって、事務所に1人の来訪者が姿を見せた。
「啓太…」
「よ、如月。怪我は大丈夫か?」
にこにこ笑いながら裕一郎の部屋のドアをノックしたのは、事件の時うやむやのまま別れた吉山啓太だった。
「河村さんが携帯に連絡くれたんだ。お前が家に帰って来てるって」
「久司が…? ってか、なんでお前の携番知ってるんだよ」
「何でって、昨日の朝にちょっと話して…それで番号交換?みたいな」
「……」
昨日も今日も、河村は啓太に連絡を取ったなどとは言わなかった。
驚かすつもりだったのだろうか。
(おせっかい…)
啓太にはもう少し心の整理がついてから、会いたかったのに。
否。
心の整理なんてつくわけがないと分かっている。
こんな事でもない限り、口に出せずただグズグズと悩むだけなのだ。
河村は彼のそんな性格を、とてもよく理解していると思う…。
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