Darkness † Marker 4   【大禍時】

いきなり懐から式を放つと、仕事と同様のキツい口調で命令する。


「蜘蛛、そいつが2度と立ち聞きしないと誓うまで、糸で柱に括りつけておけ!!」


「えっ…えっ…えーっ?」


過去、式に散々な目に遭わされた痛い記憶が、走馬灯のように彼の脳裏を駆け巡る。

双瀬はにじり寄ってくる蜘蛛に怯えた声を上げると、凄い勢いで部屋を飛び出していった。

動き出した獲物に狙いをつけるよう、その後を式が追う。


「久司…あれじゃ双瀬さんが、可哀そうだよ」


「いいんだよ、俺の神経逆なでするような事ばかり言うヤツは、少し痛い目に遭えばいい」


気の毒過ぎて裕一郎が訴えたが、河村は取り合わなかった。


「でも、怪我したオレの面倒を見てくれたのに…」


「それとこれとは別だ」


ツンと彼が横を向いた時、遠くから双瀬の悲鳴が聞こえてきた。

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