「何年俺の側にいて、この仕事やってるんだ。この符呪紙の効力は《1回きり》だ。つまり、最初に霊道と勘違いされて襲われそうになった時、回避した時点で終わっている。その後、どんなにこれを身につけたところで、ただの紙切れなんだよ」
「…嘘…」
それを聞いて、彼は愕然とした。
「嘘なもんか。きちんと俺のやっている事を常日頃見ていれば、それくらい分かるはずだぞ。これに懲りて、少しは勉強しろ」
「……」
裕一郎はしゅんとなる。
河村は立ち上がると、そんな彼の怪我した手をそっと取った。
「お前の手に絡んでいた糸は、霊道でお前を襲ってきた女がつけたものだった。黄泉人戻りの印をつけられたんだ…だが、安心しろ。霊道の修正と一緒に、あの女の霊も向こうの世界に送っておいたから」
「えっ…じゃあ、あの時炎に焼かれて消滅したわけじゃなかったんだ…」
「ああ。消える直前、お前に糸をつけたことでギリギリ逃れたんだろうな」
「そっか…」
どこかホッとした表情を浮かべる裕一郎に、河村は苦笑する。
自分のせいで消えなくていい魂が消されたのだと、気にしていたのだろう。
「お前の身に起こっていることを気付いてやれなくて、悪かったな」
「久司…」
「だが、お前が俺に心配させまいとするのは、かえって逆効果だという事を学べ」
そっと手を離すと、河村は裕一郎の髪をくしゃりと撫でた。
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「…嘘…」
それを聞いて、彼は愕然とした。
「嘘なもんか。きちんと俺のやっている事を常日頃見ていれば、それくらい分かるはずだぞ。これに懲りて、少しは勉強しろ」
「……」
裕一郎はしゅんとなる。
河村は立ち上がると、そんな彼の怪我した手をそっと取った。
「お前の手に絡んでいた糸は、霊道でお前を襲ってきた女がつけたものだった。黄泉人戻りの印をつけられたんだ…だが、安心しろ。霊道の修正と一緒に、あの女の霊も向こうの世界に送っておいたから」
「えっ…じゃあ、あの時炎に焼かれて消滅したわけじゃなかったんだ…」
「ああ。消える直前、お前に糸をつけたことでギリギリ逃れたんだろうな」
「そっか…」
どこかホッとした表情を浮かべる裕一郎に、河村は苦笑する。
自分のせいで消えなくていい魂が消されたのだと、気にしていたのだろう。
「お前の身に起こっていることを気付いてやれなくて、悪かったな」
「久司…」
「だが、お前が俺に心配させまいとするのは、かえって逆効果だという事を学べ」
そっと手を離すと、河村は裕一郎の髪をくしゃりと撫でた。
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