「全く…迷惑だ」
そうはっきり言われた裕一郎に、続ける言葉はない。
「なぜすぐに言わなかった?…お前が糸の存在を隠していると知った時、俺はショックだったよ。そして同時に大人げなくも信用されていないんだと、腹が立った」
「それは……それは、違う…!!」
テーブルの上に河村が置いたものを見て、裕一郎の表情がギョッとする。
「でも後で分かった。双瀬が教えてくれたんだ、お前がこれをずっと握りしめてたって」
血のついた符呪紙━━━。
あのどさくさで無くしてしまったとばかり思っていた河村の護符は、付き添ってくれていた双瀬が持っていたのか。
「久司に迷惑かけたくなかったんだ。あんな変な糸くらい、自分の力で何とかできるかもしれないと思ったから…」
「馬鹿だな、お前」
「えっ?」
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