Darkness † Marker 4   【大禍時】

《そんなに大切?だからどこかへ隠したの?…でも無駄よ、もう《印》をつけたから》


「貴様…」


《大切なものを失う気持ち、あなたにも味あわせてあげる》


次の瞬間、女はスルリと蜘蛛の拘束から逃れると、どんどんと糸を手繰り寄せる。

撓(たわ)んでいた糸がピンと空に張ったのを見て、河村の中でぶちりと怒りが音を立てて切れた。


「調子に乗るなよ…低級霊ごときが」


次の瞬間つかつかと歩み寄り、女の指先に絡んでいる赤い糸を無理やり片手で引っ張ると、もう片方の手で刀印を結んだ。

それを見て、女の顔が強張る。

少なくともそれが自分にダメージを与える事が可能だとは本能で分かるらしい。

「お、おい、河村。どうすんだよ」

何もできない双瀬は双方のやり取りを傍らで見ながら、尋ねた。


「どうする…決まってるだろ?この女を黄泉に帰すんだよ」

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