「お前…昨日の…」
そこにいたのは、昨日霊道から外れ強制的に葬られたはずのあの女の霊だった。
《残念だったわね、消えてなくて》
女はクスクスと笑う。
「おい、河村。気のせいだといいんだが…おれたちの前にいるこの女は、霊体か?」
前方を見つめたまま、双瀬は尋ねた。
「どう見たってそうだろ。こんな禍々しい雰囲気の人間がいるか」
振り乱した髪の間からギョロギョロとした大きな目で2人を見ている、蜘蛛に拘束された女…。
その肌は河村の術により、全身がかなり焼けただれていた。
《あの坊やは一緒じゃないのね…》
ニヤニヤと下卑た笑みで口元を歪めると、わずかに動く指先で赤い糸を繰り寄せ始める。
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