Darkness † Marker 4   【大禍時】


「お前…昨日の…」


そこにいたのは、昨日霊道から外れ強制的に葬られたはずのあの女の霊だった。


《残念だったわね、消えてなくて》


女はクスクスと笑う。

「おい、河村。気のせいだといいんだが…おれたちの前にいるこの女は、霊体か?」

前方を見つめたまま、双瀬は尋ねた。

「どう見たってそうだろ。こんな禍々しい雰囲気の人間がいるか」

振り乱した髪の間からギョロギョロとした大きな目で2人を見ている、蜘蛛に拘束された女…。

その肌は河村の術により、全身がかなり焼けただれていた。


《あの坊やは一緒じゃないのね…》


ニヤニヤと下卑た笑みで口元を歪めると、わずかに動く指先で赤い糸を繰り寄せ始める。

.