「今回の騒ぎの原因になっている霊道で気になることがあったから回ってたんだ。何でお前が怒るんだ?こっちを早く片付けないと、また騒ぎが起こると思ってだな…?」
目の前のテーブルの上に、双瀬がクシャクシャに握りつぶされた紙切れを放る。
河村はそれを訝しげな表情で拾い上げると、手の中で広げた。
「これは……」
「病院で診てもらうまで、裕一郎が握りしめてたもんだ」
「…」
血のついた、符呪紙。
これは霊道で女の霊に襲われた時、彼に渡したものではなかったか。
(まさか…あいつ…)
河村は今朝、裕一郎が何かを握りしめていた右手を思い出した。
昨日からずっと持っていたのだろうか。
普段からあまり河村の力を信じていないから、とっくに捨てているものだとばかり思っていた。
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