Darkness † Marker 4   【大禍時】


「あ、おい…裕っ!!」


開けっ放しのドアの向こうから、遠ざかっていく足音だけが聞こえ…そして静かになった。


(裕のやつ、何の事を言ってるんだ…まさか、昨夜の双瀬との会話を聞いてた?…いや、聞いたって内容の意味までは分からないだろう…)


河村は考え込む。


(俺は少しあいつの領域に踏み込み過ぎたかな…)


裕一郎の本音が今頃ジワジワと心に浸透してきて、戸惑いに伸びた前髪をかき毟った。


『大切な家族はある日突然、お前の前からいなくなっちまうかもしれないぞ』


双瀬の言葉が胸に痛い。

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