次の朝。
睡眠不足の河村が部屋から出たところで、制服を着た裕一郎と出くわした。
「おはよう」
河村から声を掛けると、
「あ…おはよう…」
まだ昨夜の事を引きずっているのか、ぎこちない表情で返事が返ってくる。
「……」
じっと少年の顔を見ると、彼もあまり眠れてないのかいつものような覇気がなかった。
「朝食はどうした?」
家を出ようとする裕一郎に聞く。
「今日はいい。食欲ないから」
「なくても、せめてヨーグルトくらい食べていけ。何も腹に入れてないとキツイぞ」
「ごめん。本当に食べれないんだ…」
振り向きもせずドアを開けようとノブに手をかけた彼の手を、慌てて河村は掴んだ。
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