(何だ?) 思わず足を止めて、それに見入る。 細く赤い《糸》のようなものが、風に吹かれ宙を舞っていた。 (驚かすなよな) 一瞬、幽霊かとドキリとした自分を誤魔化すように、ひとりごちる。 ひらり、ひらり。 それはたなびくような動きを見せながら、暗闇の中へ溶けるように消えていった。 双瀬は安堵して、再び歩き出す。 それが何か、気付かずに…。 .