Darkness † Marker 4   【大禍時】

「お前、こんな所で何やってるんだ?」


ウィンドウが下りて、運転席から河村が顔を覗かせる。

「あ…いや、帰りが遅いんでちょっと心配になってな」

双瀬は照れを隠すように、鼻の頭を指でポリポリと掻く。

しかし相手は訝しげに眉を顰めると、


「心配…?…はぁ…お前に心配されるようじゃ、俺もまだまだだな」


大げさなタメ息をついたのである。

さすがの双瀬もその反応にカチンときた。

「何だよ、おれが半人前みたいに聞こえるぞ!?」

「違うのか?祓えない坊主のくせに」


「うっ…」


痛い所を突かれたと、双瀬は一瞬言葉を詰まらせる。

「大体、俺は心配されるような、そんなヘマはしない」

「なっ…お前のその自信はどっからくるんだよっ」

可愛くねぇと、彼は言葉を吐き捨てた。

「最初から持ち合わせてるからな、今さらどこからも来やしないんだよ」


「あぁ、もう!!すげー、ムカつく」


「それはこっちのセリフだ」


「んだとっ!!」


「あー、もう…2人ともケンカしない」

言い合う2人の間に挟まれ助手席で話を聞いていた裕一郎は、見るに見かねて仲裁に入る。

「いい年したオッサンが公道で口喧嘩なんて、みっともないよ…」



「オッサン言うなっ」
「オッサンじゃねぇ」



禁句ワードに敏感に反応した2人は、仲良く声を揃えて言い返した。

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