Darkness † Marker 4   【大禍時】

       ☆

(おせーな、河村のヤツ…)


双瀬は明かりの点いていないビルの窓を見上げ、ひとりごちた。

それからブルリ、身震いをする。

春とはいえ、夜はまだまだ肌寒い。

薄着で家を出た事を少し後悔していた。

時刻は20時。

2人に依頼したものの経過が気になってこっそり様子を見に来たのだが、どこで何をしているのか…。

まだ帰社していないというのが、妙に彼の不安を煽る。

夕方も近所に住む老夫人が『川沿いを散歩していたら子供の幽霊を見た』と、寺の周辺を清掃していた双瀬に話かけてきたのだ。

霊がうろついているという事は、まだ河村たちは原因を捜査の途中であり、意外に複雑な事件なのかもしれないな…と心配になったという訳だった。


(ま、あちこちに目撃情報が散らばってんだから、簡単に事は運ばなくて当然か…)


取り越し苦労だったかな、と彼は踵を返す。

と、横に見覚えのある車が止まった。

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