Darkness † Marker 4   【大禍時】

「この力が一体何…?今まで何もなく過ごしてきたじゃないか」

「今まではな。霊道を意識する事も、見た事もなかったからそれで良かったんだ。でもお前は今回の事でその存在を知り、居合わせた。つまり、これからは大禍時に使ってはいけない制約が掛ってしまった…うっかりしてた俺が悪いんだが」

「いや、だから何で?」

「お前のその力と霊道が、繋がってしまうからだよ」



「…えっ!?」



「1度そうなると、その道を通る霊たちは全てお前の方へと流れてくるようになる。なってから切り離す事は、さすがの俺でも出来ない」


「だから、右手を隠せって言ったのか…」


「そういう訳だ」


「そういう訳だって…何でそんな大切な事を忘れるんだよ!?」


信じられないと、裕一郎はぼやく。

頼りになる存在だが、肝心なところでどこか抜けているのだ。


「俺ももう年、だ。時には忘れる事もある」


「うわっ、開き直るつもり!?そんな時だけ都合よくオッサンになるな」


「オッサン言うなっ。悲しくなるだろうが」


「何だよ、自分から言い出したんじゃないか」


「自分で言うのと、人に言われるのとでは気分が大幅に違ってくるんだよ!!」


噛みついてくる裕一郎に精一杯の抵抗をしていた河村だが、


「もういいや…」


虚しくなって、ガクリと頭を垂れた。

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